サンライズの
現場ブログBLOG
アスベストのレベル3・レベル2・レベル1の違いは?各レベルでの危険性と撤去費用目安も紹介
アスベストはかつて建築資材に広く使用されていましたが、その健康への影響が明らかになり、現在では使用が厳しく制限されています。特に、建物の解体やリノベーション時には、アスベストの有無とそのレベルに応じた対応が求められます。
ここでは、アスベストのレベル3・レベル2・レベル1のそれぞれの違いや危険性、撤去費用の目安について解説します。
目次
アスベストとは
アスベストは耐熱性、耐火性、耐酸性を持つ天然鉱物で、これらの特性から過去には建築材料や断熱材、耐火布など様々な用途で広く使用されてきました。特に、建物の屋根材や床材、壁の断熱材など、直接見えない部分にも使われていることが多く、その存在を知らずに生活している人も少なくありません。
しかし、アスベストの繊維が空気中に浮遊し、これを人が吸い込むことで重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。長期間にわたり微細なアスベスト繊維を吸い込むことは、肺がんや中皮腫といった病気のリスクを高めるとされています。
日本を含む多くの国では、アスベストの使用は段階的に制限され、法規制を通じて2006年から段階的に使用を禁止し、2012年に全面使用禁止となりました。
ただし、2006年以前に建設された建築物には依然としてアスベストが使用されている可能性があるため、これらの建物の解体やリノベーションが行われる際には、アスベストの適切な管理が極めて重要となります。
1975年以前に建設された建物は、特に高い確率でアスベストを含んでおり、これらの建物が現在、多く解体されています。その解体ピークは2040年ごろと予測されています。
アスベストのレベルとはどんなもの?
アスベストのレベルの違いは、その飛散性の危険性に応じて設定された作業レベルを指します。これは、アスベストを含む材料がどれだけ容易に繊維を空気中に放出するかに基づいています。
レベル1からレベル3までの3段階に分かれており、レベル1が最も危険性が高いとされています。一般的な物質の危険レベルとは異なり、アスベストにおいてはレベルの数が小さいほど危険性が高まります。
先に説明した通り、アスベスト繊維が肺やその他の臓器に損傷を与えることが明らかになり、健康へのリスクが高いことが広く知られました。特に、微細な繊維が空気中に放出され、それが呼吸器を通じて体内に侵入することで重篤な健康問題を引き起こします。
この健康被害を防ぐため、アスベストのレベルが定められており、レベルに応じた安全な撤去手法が採用されています。レベルの高低にかかわらず、撤去作業では適切な安全措置が施され、リスクの最小化を図ることが求められます。
ここからは、アスベストのレベルごとの違いについて説明していきます。
アスベストのレベルの違い
アスベストレベル1:発じん性が著しく高い
アスベストレベル1の危険性
アスベストレベル1は、もっとも危険性が高いカテゴリーに属します。このレベルのアスベストは、解体や改修作業時に非常に簡単に空気中に繊維が飛散し、これが呼吸されることで深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。
特に、綿状のアスベストはその構造から飛散しやすく、作業時の危険が非常に大きいです。
アスベストレベル1を含む建材の種類
レベル1のアスベストを含む代表的な建材は「石綿含有吹付け材」です。これはアスベストとセメントを混合したものを建築物に吹き付け、固めることで断熱や耐火、吸音の性能を持たせた材料です。この吹付け材はアスベストの濃度が非常に高く、撤去時には大量の粉塵が発生しやすいのが特徴です。
アスベストレベル1建材の使用箇所例
石綿含有吹付け材は、耐火性や断熱性が要求される多くの施設で使用されています。具体的には、耐火建築物の梁や柱、エレベーター周り、ビルの機械室やボイラー室の天井や壁、立体駐車場や体育館の天井や壁などがこれに該当します。
特に昭和30年代から50年初頭に建設された建物において、使用されている可能性が高いです。
アスベストレベル1除去作業の内容
レベル1のアスベストの撤去には、まずは飛散防止のための封じ込め工法や囲い込み工法が採用されます。これは薬液を使って繊維の飛散を抑える方法や、板状の材料で密閉する方法で、解体を伴わない改修作業で特に重要です。
また、完全な撤去が必要な場合には、アスベストを完全に除去した後に解体作業が行われます。
なお、アスベストレベル1の作業には、事前調査が不可欠です。アスベストが含まれているかどうかを確認した後、工事計画届や建物解体等作業届、特定粉塵排出等作業届などの必要な届出を行います。
作業現場では、飛散防止のためのお知らせ看板の掲示、作業場の徹底した清掃、前室の設置が義務付けられています。さらに、作業員は粉塵マスクや保護衣を着用し、厳重なばく露対策を講じます。
アスベストレベル2:発じん性が高い
アスベストレベル2の危険性
アスベストレベル2は、レベル1に比べて飛散のリスクは少ないものの、それでも十分な注意が必要です。このレベルのアスベストは、密度が低く比較的軽いため、物理的な刺激によって崩れると大量に飛散する恐れがあります。
特に破損や取り扱いが不適切な場合、健康へのリスクが高まるため、適切な管理と対策が求められます。
アスベストレベル2を含む建材の種類
レベル2に分類されるアスベスト建材には、石綿含有保温剤や耐火被覆材、断熱材が含まれます。これらは主にシート状の形態で製造され、配管や構造体に巻き付ける用途で利用されます。これにより、耐火性や断熱性が向上し、建築物の安全性と機能性が保たれます。
アスベストレベル2建材の使用箇所例
レベル2のアスベストは以下のような熱損失を防ぎ、火災時の炎や熱から構造を守る役割を担う箇所でよく使用されます。
・ボイラー本体や配管の保温材
・空調ダクトの保温材
・建築物の柱や梁、壁の耐火被覆材
・屋根用折板裏の断熱材
・煙突用の断熱材
アスベストレベル2除去作業の内容
レベル2のアスベストの除去には、レベル1と同様に封じ込め工法や囲い込み工法が用いられます。これらの方法では、アスベストを含む材料を安全に密閉し、飛散を防ぎながら撤去します。
レベル2のアスベストの扱いにおいては、工事前の届出が必要です。具体的には、工事開始の14日前までに所轄の労働基準監督署長に計画届を提出することが求められます。
作業現場では周囲への注意喚起や飛散防止策が施され、作業員は適切な保護具を着用してばく露を防ぎます。
レベル1に比べると保護具はやや簡易的ですが、それでも十分な保護機能を持つものが選ばれます。また、作業場の清掃の徹底や前室の設置も飛散防止のために必須とされます。
アスベストレベル3:発じん性が比較的低い
アスベストレベル3の危険性
アスベストレベル3はレベル1やレベル2に比べて取り扱いの際の危険性が比較的低いとされています。これは、レベル3のアスベストを含む材料が硬く成形されているため、日常的な使用状況下では繊維が飛散するリスクが非常に低いからです。
しかし、解体や大規模な改修作業を行う際には、繊維が飛散する可能性があるため、適切な対策が必要です。
アスベストレベル3を含む建材の種類
レベル3のアスベストは主に固く成形された板状の建材に使用されています。これには成形板や一部の断熱材が含まれ、これらはレベル1やレベル2のような粉状や綿状の材料とは異なります。
固形化されているため、物理的に破壊しない限り、繊維が外部に放出されることはほとんどありません。
アスベストレベル3建材の使用箇所例
レベル3のアスベスト建材は、一般的な住宅を含む多くの建築物で見られ、特に耐久性や断熱性が求められる箇所に使用されています。
・建築物の屋根材や外壁材
・内装材としての天井、壁、床
・ビニール床のタイル
アスベストレベル3除去作業の内容
レベル3のアスベストを含む材料の除去作業では、大規模な飛散防止措置は必要ない場合もありますが、それでも基本的な飛散防止策は必要です。
主な作業タイプには、湿潤化して粉塵の発生を抑えつつ、慎重に材料を取り除く方法があります。解体や改修の際には、事前のリスク評価と適切な作業プランの策定を行います。
なお、2022年4月1日からは、レベル3のアスベストを含む建築物でも、解体や改造を行う際には、事前にアスベスト含有建材の有無を調査し、その結果を都道府県庁に報告することが法律で義務付けられました。
作業時には、飛散防止のための湿潤化措置や適切な清掃が行われるべきであり、作業員は基本的な保護具を着用して健康リスクを最小限に抑えます。
レベル1やレベル2の材料を扱う場合と比較して、簡易的な保護具や前室の設置などの厳重な対策は通常必要ありませんが、アスベストはアスベストであるため、取り扱いには常に注意して作業が行われます。
次に、これらのアスベストレベルごとにかかる撤去費用の目安を紹介します。
アスベストレベルごとの撤去費用の目安
アスベストレベル1の撤去費用目安
アスベストレベル1の撤去は、最も高リスクとされるため、非常に厳格な安全対策が必要です。完全な密閉空間の設置、専門の換気システム、高度な防護装備の使用に加え、作業員の健康を守るための定期的な健康診断などが含まれます。
これらの要因により、撤去費用は他のレベルに比べて格段に高くなります。具体的な費用は、撤去するアスベストの量や作業環境によりますが、平均的には平方メートルあたり5万円から10万円程度が目安となることが多いです。
アスベストレベル2の撤去費用目安
アスベストレベル2の撤去には、部分的な密閉や強化された換気が必要であり、レベル1ほどではないものの、それなりの安全対策が求められます。このため、費用も中程度となります。
撤去作業には、適切な防塵マスクや保護服の着用が必要で、作業後の清掃も徹底しなければなりません。費用の目安としては、平方メートルあたり約3万円から5万円が一般的です。
アスベストレベル3の撤去費用目安
アスベストレベル3の撤去費用は、一般的には他のレベルに比べて比較的安価です。レベル3のアスベストを含む材料は硬く成形されており、日常的な使用中の飛散リスクが低いため、除去作業も簡易的なものが多くなります。具体的には、平方メートルあたり約0.3万円が目安とされています。
例として、一般的な30坪(約99平米)の住宅の場合、屋根のアスベスト撤去には約10万円から20万円、外壁であれば約20万円から30万円。ただし、建材の種類や施工状況によっては、これらの費用が変動する可能性もあります。
ここまでで撤去費用の目安を紹介しましたが、アスベストの含有状況や面積、解体工事の規模によっても費用は大きく異なります。
特に、解体工事中に未発見のアスベストが見つかると、工事が一時中断されるだけでなく、必要な撤去作業のために追加費用が発生することがあります。想定外の追加費用を防ぐためにも、解体前の事前調査を依頼するのがよいでしょう。
アスベスト事前調査は神奈川県横浜市の解体屋 サンライズへご相談ください
アスベストのレベルによる違いや撤去費用目安などをご紹介しました。
アスベストは飛散してしまうと健康被害の恐れだけでなく、適切な対応が行われない場合の法的な責任問題にも及びます。また、飛散レベルに応じて作業内容が変わったり、危険性が高くなることで撤去費用も高額になります。
解体工事とは切っても切れない「アスベスト」について、お悩みやご不安を抱えられている方々もいらっしゃるかと思います。神奈川県横浜市の解体屋である株式会社サンライズは、2023年10月1日以降義務化されたアスベスト事前調査に必須の資格である「一般建築物石綿含有建材調査者」を全社員が保有しています。
株式会社サンライズはお客様に寄り添った解体工事をご提供しておりますので、神奈川県横浜市・川崎市・東京都で解体をご検討の方は、ご相談・お見積りなどお気軽にご連絡ください。
フリーダイヤル(0120-330-270)、またはLINEからでもご相談いただけます。
- アスベストのレベル3・レベル2・レベル1の違いは?各レベルでの危険性と撤去費用目安も紹介 - 2024年4月13日
- リフォームと建て替えどっちにすべき?判断のポイントや費用を徹底解説! - 2024年3月25日
- 空き家問題とは?具体的な問題点や原因、解決策について解説します - 2024年3月25日
横浜地域密着の解体工事・家屋解体のプロにお任せください。
解体工事や家屋解体に関するお悩みごとは、些細な事でも私たちにお気軽にご相談ください!