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アスベストの見分けはできる?アスベスト含有建材の特徴と見分け方のポイントを解説
アスベストはかつて建材として広く利用されていましたが、健康へのリスクから現在では使用が厳しく制限されています。ここでは、アスベストを含む建材の特徴と、それらを安全に見分けるためのポイントについて、神奈川県横浜市の解体屋である株式会社サンライズが詳しく解説します。
目次
アスベストとその危険性
アスベストは、非常に細かい繊維状の物質で、その耐火性、断熱性、電気絶縁性に優れるため、長年にわたって建築材料や工業製品に広く使用されてきました。
アスベストの繊維は非常に小さく、一度肺に侵入すると、体外に排出されることはほとんどありません。このため、肺内に蓄積され続けることが多く、じん肺、肺がん、中皮腫といった重篤な疾患を引き起こすリスクが非常に高くなります。
これらの健康被害はアスベスト繊維に長期間曝露した後に発症するため、問題の深刻さが認識されるまでに時間がかかりました。
特にアスベストが広く使われ始めた1887年から1990年代にかけて、その便利さと経済的な利点から、建築材料だけでなく、吹き付け材やスレート材、さらには摩擦材やシール断熱材など、さまざまな形で使用されていました。
しかし、アスベストによる健康被害の報告が増えるにつれて、その危険性が広く認知されるようになり、多くの国で使用が段階的に禁止されました。
1995年には、特に有害性が高いアモサイトとクロシドライトの使用が禁止され、2006年にはアスベストを0.1%以上含む製品の製造も禁止されました。
そして、2012年には、石綿分析用試料を除くすべてのアスベスト含有物の製造が全面的に禁止され、現在では、アスベストが使用された建物や製品に対しては、厳格な管理と適切な処置が求められています。
アスベストは見た目で判断できる?
アスベスト含有物質の識別は見た目だけでは困難ですが、いくつかの特徴を理解することで、紛らわしい材料も見極める目安になります。
アスベストの見た目の特徴
アスベストを含む建材は、独特の繊維状の質感であることが特徴です。
特に、古い建物の断熱材や壁材、天井材に多用されており、触ると手にほろほろと崩れる感触があり、空気中に細かい粉塵を放つことがあります。
また、光に透かして見た場合、アスベストの繊維は微細で光沢があることが確認できる場合があります。このような見た目の特徴に加えて、その摩擦や圧力に対する耐性の高さも、アスベストの特徴です。
アスベストと似ている紛らわしい素材
アスベストと外見が似ている紛らわしい素材もあります。ここで二つの例を紹介します。
ロックウール
ロックウールは天然岩石を高温で溶かし、繊維状にした断熱材です。アスベストと同様に優れた断熱性を持ちますが、健康に与える影響は大きく異なります。
ロックウールの繊維はアスベストと比べて体内での持続時間が短く、健康リスクは比較的低いとされています。
外見の類似性から目視で判別するのは困難ですが、目安として酸や顕微鏡などを使った見分け方を紹介します。ただし、こちらを試す際には、飛散したものを吸い込まないように注意する必要もあり、専門知識を持たないと大変危険です。実際に調査の際は必ず専門の業者に任せるようにしましょう。
見分け方 | アスベスト | ロックウール |
指で触れる | 手のひらに載せて指でこすっても砕けず繊維状のまま | 手のひらに載せて指でこすると粉々になり肉眼では繊維状に見えない |
酸(お酢)をかける | 溶けない | 溶ける |
顕微鏡を使う | 直径の細い繊維が束になっている | 棒状で繊維の直径が太く、束にはなっていない |
グラスウール
グラスウールもガラスを原料として製造される断熱材で、見た目がアスベストに似ていますが、こちらも健康へのリスクは低いとされています。
グラスウールは、主にガラス繊維から作られており、アスベストとは異なり肺に長期間留まることは少ないです。しかし、取り扱い中に発生する繊維の微粒子が目や皮膚の刺激の原因となるため、適切な保護具の使用が推奨されます。
アスベストを含む建材と特徴
アスベストが含まれる建材は多岐にわたります。特に断熱材、壁材、床材、天井材など、多用途で使用されています。これらの建材は特に、建物の解体工事やリフォームの際に注意が必要です。
それぞれの建材タイプには独特の特徴がありますが、ここでは特に代表的な例を取り上げます。
吹付けアスベスト
吹付けアスベストは、アスベストとセメント系の結合材に水を加え、特殊な吹付け機を用いて施工された建築材料です。
この技術は、昭和30年代(1955年頃)から昭和50年代(1975年頃)にかけて、日本で広く利用されました。主に耐火被覆用、防音・断熱用として、耐火建築物や準耐火建築物に使用されており、その施工の速さと効率性から多くの建物に採用されました。
吹付けアスベストの危険性は、その繊維が空気中に容易に放出されることにあります。特に解体やリノベーション作業中に、適切な対策が取られない場合、繊維が空気中に拡散し、作業者や建物の利用者の健康を著しく脅かすことになります。
吹付けロックウール
吹付けロックウールは、外見上、吹付けアスベストに非常に似ており、識別が困難な場合があります。ロックウールは岩石やスラグを原料とし、工場で人造の鉱物繊維として製造されるもので、アスベストとは異なり天然の鉱物繊維ではありません。
1975年(昭和50年)以前には、吹付けロックウールのアスベスト含有率は5%を超えるものから30%に達するものもありました。この高含有率は、その耐火性や耐久性を高めるためでしたが、アスベストの健康へのリスクが広く認識されると、1975年にはアスベスト含有率が5%を超える吹付け材の使用が原則として禁止されました。
古い建物においては、以前の基準に基づいて施工されたアスベスト含有の吹付けロックウールが残っている可能性があります。
吹付けひる石(バーミキュライト)
ひる石(バーミキュライト)は、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどから構成される軽量の鉱物です。保水性、通気性、保肥性に優れているため、主に園芸や農業で広く使用されています。
また、その比重は通常の土の10分の1程度と非常に軽く、土壌の軽量化にも役立ちます。さらに、高い断熱性や保温性を持つため、水耕栽培にも適しており、挿し木用土として単体での使用も一般的です。
吹付けひる石(バーミキュライト)とは、これらのひる石(バーミキュライト)を基材として、アスベストと混合し、壁や天井に吹付けた建材です。主に1988年までの期間に、建築物の内装仕上げ材として、廊下や階段室などに使用されていました。吹付けひる石(バーミキュライト)は断熱性や音響性能の向上に貢献する一方で、アスベストを含むため、現在ではその使用が推奨されていません。
1988年に製造が終了した後も、これらの材料が施された建物では、解体や改修時には特別な注意が必要です。吹付けひる石(バーミキュライト)は通常、しっかりと固まっているため基本的には飛散しないとされていますが、劣化が進んでいる場合や災害時には飛散のリスクがあり、適切な対策が求められます。
アスベストを含む建築物の見分け方
アスベストが使用されている可能性のある建築物を見分けるためには、建築時期や外壁材や屋根材に使われている素材の種類など、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
建築物の建築時期
1970年代から1990年代初頭にかけての建物では、アスベストを含む材料の使用が一般的でした。この時期に建てられた建物には、床材、天井材、断熱材、壁材など、さまざまな箇所にアスベストが含まれている可能性があります。
具体的には、1980年代の中頃までに建設された建物では、アスベストの危険性が完全には認識されていなかったため、その優れた耐火性や断熱性が建築材料として重宝されており、アスベストを含む吹付け材やタイル、パイプの断熱材などが広く使用されていました。
1980年代以降、アスベストの健康リスクに対する認識が高まり、使用が徐々に制限され始めましたが、それ以前に建てられた多くの建物では既に多量のアスベストが使用されていたため、影響は続いています。
さらに、1995年にアスベスト含有材料の新規使用が禁止されるまで、使用量は徐々に低減されていましたが、1990年代初頭に建設された建物にも、アスベストが含まれている可能性があります。
使用している外壁材
外壁材の種類もアスベストを含むかどうかの判別材料になります。特にセメント繊維板や特定の断熱材には、アスベストが使用されていることが多く注意が必要です。
セメント繊維板は、その優れた耐火性と安価なコストから多くの建物で採用されている建築資材です。しかし、これらの板が割れたり破損したりすると、アスベスト繊維が露出し、空気中に放出されるリスクがあります。
また、屋根材が外壁に使用されることが多い建築資材であるアスベストシングル。これらは耐候性に優れ、長期にわたって外部の厳しい環境にさらされても性能を維持します。
しかし、その耐久性の長さもあり、使用されている古い建物においては今でもアスベスト問題を抱えている場合があります。
アスベストを見た目で判別するのは難しい!解体の際は必ず事前調査を
ここまでアスベストの特徴や見分け方のポイントを紹介しましたが、建築年代によって使用された材料の種類や量が異なっていたり、似たような素材があったりと、素人目では判断が難しい素材です。
アスベストを吸い込んでしまうと、アスベスト肺や肺がん、悪性中皮腫のような病気になる可能性があるため、解体工事を行う際には専門の業者に必ず事前調査を依頼しましょう。
建物の各部材を詳細にチェックし、詳細な分析を行い、アスベストがどこに、どの程度含まれているかを正確に把握し措置を施すことが、後の健康被害を防ぐことができます。
アスベスト事前調査は神奈川県横浜市の解体屋 サンライズへご相談ください
アスベストは過去に広範囲にわたり使用された素材ですが、その健康への悪影響が確認されてから、法規制を通じて2006年から段階的に使用を禁止し、2012年に全面使用禁止となりました。
アスベストの危険性は、その健康へのリスクだけでなく、適切な対応が行われない場合の法的な責任問題にも及びます。建物の解体や改修を行う際は、特にアスベストの存在を念頭に置き、必要な調査と安全対策を怠らないことが必要です。
解体工事とは切っても切れない「アスベスト」について、お悩みやご不安を抱えられている方々もいらっしゃるかと思います。神奈川県横浜市の解体屋である株式会社サンライズは、2023年10月1日以降義務化されたアスベスト事前調査に必須の資格である「一般建築物石綿含有建材調査者」を全社員が保有しています。
株式会社サンライズはお客様に寄り添った解体工事をご提供しておりますので、神奈川県横浜市・川崎市・東京都で解体をご検討の方は、ご相談・お見積りなどお気軽にご連絡ください。
フリーダイヤル(0120-330-270)、またはLINEからでもご相談いただけます。
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